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福田洋介先生インタビュー

春に行われるNWOの演奏会で毎年演奏されているのが、

福田洋介氏作曲「楽園のとびら」。

この曲にまつわるインタビューを部活動に福田先生をお招きした際に行った。

①この曲を書くことになったきっかけ

 まとめて言うと、教え子との立ち話で出来上がった話です。
西高に入学した、中学校の頃の教え子と※地区音で出くわした時に「手伝えることあったら言ってね」と言ったら、じゃあ曲作ってくださいってなっちゃって、、意外な展開でした。それで曲作るねって言っていたらなんか大ごとになっちゃって、、。
アンサンブルの曲を作るのかと思っていたら、コンサートの一曲目を作るプロジェクトとして話がまとまってきて、正直びっくりしました。そんなに大きな役目を頂けるとは思っていなかったので。曲を作る中で、コンサートの一曲目ということを考えたら、その演奏会に華を添えられるような作品を作ることが出来たら面白いんだろうなと思っていました。その時の気分としては一回限りの演奏でもいいかなと思っていましたが、気づけば、2007年に作った曲を12年も(2018年度現在)続けて演奏されているということで。こういうことは他の作品でもあまりなくて、貴重な期間吹いてもらっているなと思っています。

 


②タイトルの由来
 西高生なら知っていると思いますが、西高校の名前の由来は方角の西ではなく、楽園(西方浄土)という意味からきています。それを知ったとき僕のなかでおぉってなって、良い意味でざわっとしました。そして、それとNWOの活動がリンクしているように見えてきて、皆がこんなに音楽を長く続けているのはやはり楽しいことが好きだからなのかな、と感じて。

何故皆西高を選んで学びに来ているのかと考えると、自分の未来の扉を開くために来ているという感じがどこかにあります。未来の自分に期待して西高に来ているというのが多い。その若者なりの希望に満ちた姿はそれこそ昔からある気がします。自分で楽園の扉を開くんだけれども、そこからさらに先へ、自身の扉を切り拓く。それができる場所が西高校なのだと。そんな思いを馳せてこのタイトルにしました。

 

※地区音楽大会の略称。西高が毎年出演している地域別の演奏会のこと。

③この曲を書くときに思い浮かべたモチーフ、情景、西高っぽさとは

 西高っぽさというのは正直そのときはよくわかっていなかったところがありました。ただ、僕は昔、

豊多摩高校という所にいて、 隣の西高の人たちのことを見てはいたので、そういう視点での西高っぽさというと、自分のことをとても楽しく見ている人が多いということが挙げられると思います。
それが、隣の所から見ていると羨ましく感じた部分があって。苦しんでいるより楽しんでいる方がどっちかというと多いのかな、という感じがします。
自分に対してストイックになりすぎるということもあまりなく、自分ができることを増やしていこうとするというのびやかな感性はすごくいいなと思っていて。
 それと物事に対するスピード感がとても速いこと。 それが昔から感じているところで、
エネルギッシュだしスピード感があるし、のびのびしている。 結構矛盾するようなキーワードではあるのだけれども、それがすごく一緒くたになっている学生たちだな、というのは感じています。
楽譜上カンタービレで「歌うように」って書いてあるメインテーマのメロディーと、スピードがどんどん変わっていく構成というのは、そこに照らし合わせて作ったというところはあるかなと思いますね。


④先生の思う聴きどころ

 この曲は12年も続けて演奏していただいているんですけれども、毎年一緒に学生の皆さんと練習する度に思うのが、二度と同じ演奏は聴けないし、このメンバーでしかできない演奏っていうのがある感じがしています。はっきりとその年々の西高NWOの音がいっぺんに分かる作品っていう感じがしているなって思います。それはそれで学生たちにとって危険な感じもするでしょうけれども、やっぱりNWOのみんなの持ってる音楽のかっこよさと優しさとっていうのが一緒に体験できる音楽だなって感じがしてます。それが僕がこの曲を作った時の願いでもありました。そのことを実現できているのが僕はすごく嬉しいです。

コンサートの一曲目に聴くと、今年の顔が分かる、というような曲となってます。

 

インタビューを受けてくださった福田先生にこの場を借りてお礼申し上げます。

---福田洋介先生 経歴---

11歳の時に、コンピューターによる音楽製作を開始し、現在まで作編曲を独学で習得する。東京都立豊多摩高等学校在学中の1991年から作曲家としての活動を開始し、管弦楽、器楽、吹奏楽、演劇、舞踏、テレビ、映画など多くの分野にわたる創作を行っている。佐渡裕&シエナ・ウインド・オーケストラ、SEKAI NO OWARI、海上自衛隊音楽隊などの作編曲担当としても活動している。

2003年、『吹奏楽のための「風之舞」』で、第14回朝日作曲賞を受賞、翌年の全日本吹奏楽コンクール課題曲として全国のアマチュアバンドに演奏された。また、日本テレビ系列で放映された「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」の人気コーナー「日本列島 吹奏楽の旅」でこの曲の練習風景が何度も放送されたため、一般に広く知られるようになった。吹奏楽曲だけではなく、エレクトーンやピアノ連弾に編曲、出版されている。

2011年、『さくらのうた』で第22回朝日作曲賞を受賞(通算2度目)。

 

「Wikipedia」より抜粋

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